読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ほんのむし。

読んだ小説の紹介2割(ネタバレなし)、小説で動かされた心情と日常を8割で描く、平凡なブログ。

[読了]マタニティ・グレイ

石田衣良さんのマタニティ・グレイ、読了しました。

前回のブログで途中経過を記載しましたが、ラストは生みの感動というよりも、人として一歩成長する主人公の姿が強く描かれています。
人ひとりの世界を作り出す、という感動と世界を作ったことにより、自分の世界を作り出してくれた親に心から感謝する。
それが家族ができるという醍醐味なのかもしれないと思いました。


ここからは個人的な話。
私は昨年、祖父を二人失い、特に近くでずっと過ごしてきた祖父が亡くなったことはショックというか、信じられない気持ちしかありません。

そんな祖父の嫁である、わたしの祖母は、祖父とは再婚である。
祖母の前の旦那は、祖父の弟。
祖父の弟は結婚間もなく、病死した。

わたしがその事実を知って、そして理解したのはほんの最近のこと。

亡くなった祖父の日記には「悲しみにくれる祖母の姿を見ていられない。この人を守らなくては」という決意が書かれ、
一方の祖母のアルバムには「なんでこんな早く亡くなるの?せめて子供がほしかった」と、辛さが淡々と書かれているのだった。

そんな祖母と結婚し、三人の子、そして孫をもうけ、50年以上も大切に家族を守ってきた祖父。
その祖父の想いをついで、祖母を今、わたしの母が守っている。

祖父の死はただ悲しいだけではなく、
祖父がいて、祖母がいるから自分たちは生まれ、出会ったということを改めて感じ、深く、深く感謝をした。

この想いを忘れず、自分は世界をつなぐ責任があると今、思っている。

マタニティ・グレイという作品の「命の誕生」と、自分の祖父の「死」から、世界や家族のつながりを考え、その尊さを感じた。

次は自分が世界を生む人になりたい。