ほんのむし。

読んだ小説の紹介2割(ネタバレなし)、小説で動かされた心情と日常を8割で描く、平凡なブログ。

[読了]少女

『少女』 湊かなえ

湊さんの作品は、本作以外はすべて読みました。
といっても文庫派なため、一番直近では『望郷』を読んだまでなのですが。

望郷は、作者が湊かなえさんということを忘れてしまいそうなくらい、ミステリー要素が前面に出ていない作品集でした。
それでいて伏線が張り巡らされているから、最後はやっぱり『あぁ、湊さんだ。』と思い返すのです。

そんな湊さんの初期の方の作品で唯一、読み逃していたのが『少女』。

望郷の後だから余計に、湊さん節を頭から感じます。
自分の存在する世界以外の景色が見えていない若かりし頃、みんなこうやって『何者にもなれない自分』と戦って、自分だけは人と違う、と必死にもがいていたのかな、と過去を振り返る。

狂気に満ちた気持ちなど、抱いた記憶はないけれど、間違いなく、みんなと一緒じゃない自分になりたかったという点は共感できる。
『望郷』もそうでしたが、田舎育ちの人なら少なからず、湊さんの作品に共感できる部分は多いはず。

少し感動も含まれて、
そこ繋がってたの?!という吃驚もある。
死をテーマにしてる故に冷ややかな切り口と感じるかもしれないですが、湊さんワールドを経験できる作品のひとつです。

少女 (双葉文庫)

少女 (双葉文庫)