ほんのむし。

読んだ小説の紹介2割(ネタバレなし)、小説で動かされた心情と日常を8割で描く、平凡なブログ。

[徒然]小説を読む理由

なぜ、小説を読むのか。

遡れば約10年前。
今のように毎日小説を読む習慣がなかった、高校時代のわたし。
2歳年下の弟も、父も母も活字オタクで我が家には本がたくさんあったし、子供の頃から伝記等、読んできました。
けれどそれは、「宿題」に似たもので、与えられたから読んでいたに近い。
故に小説はあまり読まず、あだち充さんの『H2』『ラフ』など、一世代前の青春漫画を読み漁っていました。

ある時、弟から乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』をオススメされ、何の気なしに読んでみました。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)



初めは普通の恋愛もので、ストーリーを漫画の絵に置き換えて想像していたのですが・・
読んでいくうちに、「あれ?なんか違和感がある・・」と感じはじめ、
その瞬間からページをめくるスピードがどんどん加速して、読み終わったのは夜中の3時。

夢中になって読み進めて、でも小説を読みなれていないわたしは特に理解力が乏しく、「え、どういうこと?」と思考がストップ。この時は、乾くるみさん作品の本当の凄さに気づきませんでした。

それから急いでケータイで乾さんのトリックを調べ、その全容がわかったとき、全身がぶるっと震えて、感激というよりも、刺激を強く受けたことを今でも覚えています。



小説の力って、すごい。
一瞬で心を奪って、ずっと残り続ける。
自分が経験したこともない、ただの文字の羅列で、描くことができる情景は、数少ない自分の経験から引き出した世界にとどまるのに。
最後のたった5文字程度で、心をさらわれてしまったこの衝撃に魅了されました。

それからというもの、弟の蔵書を借りては読み、東野圭吾さんや『告白』で一世を風靡した、湊かなえさん作品など、ミステリーものを読み漁り、完全にトリコになったのです。


小説を読む、このこと自体を自分のものにしてよかったと思うのは、
自分が経験していないことを疑似体験して、多方面から考える思考力を身につけられること。
そして、自分が成長することで、描ける情景が変わってきて、同じ作品を数年後に読み返したときに、全く違うものになり得て、良い意味で歳をとることを誇りに思えることです。

高校生のあのとき、わたしと『イニシエーション・ラブ』を出会わせてくれた弟に感謝しています。

以上、徒然なるままに初心を記録してみました。

▼これから徐々に書きますが、乾さん作品を掲出。特に、リピート、スリープ、セカンド・ラブが好きです。

リピート (文春文庫)

リピート (文春文庫)

セカンド・ラブ (文春文庫)

セカンド・ラブ (文春文庫)

Jの神話 (文春文庫)

Jの神話 (文春文庫)

スリープ (ハルキ文庫)

スリープ (ハルキ文庫)