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ほんのむし。

読んだ小説の紹介2割(ネタバレなし)、小説で動かされた心情と日常を8割で描く、平凡なブログ。

[読了]水底フェスタ

『水底フェスタ』辻村深月

 
『鍵のない夢を見る』『太陽の坐る場所』など、辻村深月さん作品は、今までちょこちょこかじっています。
 
今回の『水底フェスタ』は、書店であまり見かけなかったのですが、たまたま見つけたので買ってみると、なんと2011年発行の作品でした。
 
あらすじは、田舎の村に住む高校生の広海が、村出身のモデル・由貴美に出会い、彼女の嘘により危険な恋に落ちていく物語。
 
この作品の切なさは、失ってから気づく友情の深さと自分の無知。
若さ故に、都会から来た大人の女に心を奪われ、信じてはいけないとわかっていても引き込まれていく、そんな恋愛が描かれていますが、何よりも友情と無知の罪を強く、感じました。
 
小さなコミュニティを外から、上から見ていて、自分だけは『染まっていない』と信じて疑わなかった。
それが、由貴美との出会いや友人の秘めた想い、家族の隠された秘密を通して、自分がいつの間にか村の一部になっていて、そこから逃れられないことに直面する。
 
田舎に住む若者や女性の葛藤を描く切り口は、湊かなえさんの作品に近いものを感じました。
 
ただの恋愛小説ではなく、1人の青年が恋に落ち、家族に失望し、本当の友情を知り、自分の故郷を思う、最後は切なさのこみ上げる作品です。
 
田舎出身の人に読んで欲しい。
共感ポイントがたくさんあって、自分も一歩間違えれば、と想像してしまいます。
 
都会の人にはやっぱり、理解し難いのかも。。
 

 

 

 

水底フェスタ

水底フェスタ